春の肌荒れの原因とメカニズム。4月~6月は要注意!

春になると肌荒れを繰り返す…その不調の原因は「季節性敏感肌」かもしれません。

季節の変わり目は肌にも影響を与えます。特に春先はその傾向が強く、「メイクもうまくのらなくなる…」と嘆く人も少なくないでしょう。実は春は肌が荒れる要素が多く、それに反応してしまう人は「季節性敏感肌」なのかもしれません。ここでは春特有の肌荒れについて、原因や対処法などを探っていきます。

春~梅雨時期に肌荒れをおこす人の特徴

春の肌荒れの症状はさまざまですが、実はそれぞれの症状には共通する原因があります。それが、皮膚のバリア機能の低下とされています。

皮膚のバリア機能とは

肌には、外部の刺激などから体を守るためにバリア機能が備わっています。

肌の表面にあるわずか0.02mmの角層が皮膚のバリア機能の役割を担っており、角層の内側にある水分や細胞間脂質が逃げるのを防いでいます。肌のうるおいが保たれているのは、このバリア機能のおかげです。

バリア機能には、肌のうるおいを保ち、水分を蓄える役割のほかに、花粉などのアレルゲンや細菌などの侵入を防ぎ、乾燥や紫外線などの外部刺激から体を守る役割もあります。


皮膚のバリア機能が低下すると刺激に弱くなる

角層に蓄えられていた水分や細胞間脂質が何らかの要因で減ると、角層細胞が乱れてすき間ができます。そして、そのすき間にアレルゲンなどが入り込み、肌は刺激を受けやすくなるのです。

春に肌荒れが起きやすいのは、バリア機能が低下した肌が刺激に弱くなっているからと考えられます。


冬の乾燥した空気はバリア機能低下のもと

冬の時期、乾燥した空気によって肌のうるおいが奪われて乾燥し、バリア機能が低下した状態になっていることが多いです。

そこに、春特有の肌荒れ原因により刺激が加わると、肌がヒリヒリする、ブツブツができる、赤くなるなどといった肌トラブルが起きやすくなります。


原因やメカニズム

では、春の肌荒れを起こす刺激となるものは何なのでしょうか。肌に刺激を与える要因をみていきましょう。

花粉

春はいわずと知れたスギ・ヒノキ花粉シーズン。
その弊害はくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどが一般的ですが、肌荒れを引き起こすこともしばしばです。肌に大量の花粉が付着すると、人によってはかゆみや赤味、湿疹が出たりするのです。これは「花粉皮膚炎」とも呼ばれる疾患で、冬の乾燥でバリア機能が弱った肌の内部に、花粉が忍び込むことで発症します。肌は本来、バリア機能を持っており、多少の異物なら弾き返すことができます。ところが肌表面の水分量が減ると、肌の細胞もしぼんでいわゆる「地割れ」が発生。細胞の端々に隙間ができ、そこから異物の侵入を許すようになってしまうのです。その結果、肌がアレルギー反応を起こし、かゆみ、赤味、湿疹などが現れるというわけです。特に肌の薄い目の周りや首元などは、花粉皮膚炎の症状が出やすいといわれています。特定の季節に肌荒れが続くようなら、花粉皮膚炎かもしれません。皮膚科医の診断を仰いでみてください。


PM2.5

粒子状のごく小さな大気汚染物質をPM2.5と呼びます。これらは通年、風に舞っていますが、日本で最も観測値が高くなるのは春。この時期は偏西風の影響で、中国大陸から黄砂や噴煙などが飛来するため、大気中のPM2.5濃度が高くなると考えられています。目には見えないこうした粒子も、肌を刺激するので注意が必要です。


紫外線

春になると日が長くなり、陽射しもどんどん強まります。冬場の感覚でUVケアをせずにいて、うっかり日焼けをしてしまうことは春の「あるある」。紫外線のダメージを受けると、肌はトラブルを起こしやすくなります。


汗や皮脂

ポカポカ陽気が増えてくると、汗や皮脂の分泌も多くなります。これらを放ったままにしておくと、ニキビなどの原因になりかねません。


寒暖差

昼間は汗ばみ、朝晩は凍えるなど、春は寒暖差が激しい季節。不安定な天候も肌を疲れさせ、バリア機能の低下を招きます。


新生活ストレス

日本は春に年度を切り替えます。新生活をスタートさせる人も多いでしょうが、生物にとって環境の変化はストレスの元。精神的負担から肌の調子が落ちるといったケースもあります。


よく噛んで食べる

満腹の信号が脳に伝わるまでには、およそ15~20分かかります。早食いをせず、ゆっくり時間をかけて食べるようにすれば、少量でも満腹感が得られます。パーティーではおしゃべりも楽しみつつ、のんびり箸を進めてください。

おすすめの対策

慢性化しがちな肌荒れですが、生活習慣などを改めれば、予防することも可能です。スキンケアも見直して、厄介な時期を乗り切りましょう。

花粉対策を徹底する

外出時にはマスクや眼鏡、帽子などを着用し、なるべく花粉に触れないようにすることが大切です。デコルテも広く開けるのは夏まで待ち、スカーフなどで首元をガードしておくこと。


基礎化粧品を低刺激タイプに変える

肌が弱っているときは、ちょっとした刺激にも過剰に反応しがち。毎日のスキンケアアイテムも低刺激タイプに切り換えましょう。


たっぷりの泡でやさしく洗顔

清潔第一とはいえ、肌をゴシゴシこすって洗うのはNGです。洗顔料をしっかりと泡立て、手指ではなく、泡で顔をなでるように洗うのがベスト。クレンジングも拭き取りタイプは避け、ミルクタイプやオイルタイプを選んだ方が無難です。また、過度な洗顔は肌のうるおいを奪ってしまうので、朝晩2回程度にとどめてください。


保湿をしっかり

肌のバリア機能を保つために、洗顔後はすぐに化粧水などでうるおいをチャージ。さらにクリームを塗って肌にふたをすると、保湿力が高まります。


日焼け止めなどで紫外線を防ぐ

UVカットはスキンケアの基本中の基本。日焼け止めは季節を問わず塗るべきですが、肌が敏感に傾いているときは、刺激の少ない「紫外線吸収剤不使用」のものを選びましょう。帽子や日傘、ストールなどで、物理的に陽射しを遮るのも有効です。


タンパク質や緑黄色野菜を積極的に摂る

栄養バランスに気を配るのはもちろん、この時期は美肌メニューを意識したいもの。あらゆる細胞の材料となるタンパク質や、肌や粘膜の健康を保つビタミンA(緑黄色野菜に多く含有)などをたっぷり摂りましょう。


ストレスをため込まない

日々の生活の中で感じるストレスは、その日のうちにリセットしてしまうのが理想です。ゆったりした音楽を聴いてくつろぐなど、自分なりのストレス解消法を見つけてください。


睡眠時間を確保

肌のターンオーバーを促すには、良質の睡眠が不可欠です。スマホに夢中になってつい夜更かし…といったことは控えめに。


ひと冬超えた後の肌は、乾燥気味でデリケート。花粉や紫外線といった見えない刺激にも、敏感に反応してしまいます。この時期は肌の露出をなるべく避け、保湿もしっかり行うことを心がけてください。また、春に限ったことではありませんが、ホコリやカビ、ダニなども肌荒れの原因になります。すこやかな肌を保つためにも、こまめな掃除をお忘れなく。

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